0人が本棚に入れています
本棚に追加
転生界に戻ってから、早くも3ヶ月…
ナルミは憂鬱であった。
なぜなら…ヨウジおじさんと、ずっと一緒だからだ
ヨウジ
「ねぇ、ナルミくん。君さぁ、あの時見捨てたよね?」
はじまった…
前回、ヨウジおじさんは水質チェックのため、浄水場の役員に連れてかれたのだ。
それ以来、断るごとに
「ビーカーは冷たかった…」
「浄水場でろ過された方がマシだった…」
「おれは転生するたび、人間に虐められる…それどころか!親友であるナルミくんにまで虐められた!」
などと、ねちゃねちゃとした愚痴を聞かされている。
ちなみに顔面もねちゃねちゃしている。
ナルミ
「ヨウジさん…転生期間入りましたよね?後1週間しかないっすよ?もう決まったんですか?」
ヨウジ
「ん?まぁ慌てんなって、転生先なんて選ばなきゃいくらでもあるんだしさ。」
ナルミ
「たまには、人間とかになりたくないんすか!?いつも微生物ばかりじゃないっすか…」
ヨウジ
「き…君にだけは言われたくないな…君だって似たようなもんじゃない…」
ナルミ
「ヨウジさん…これ自慢になっちゃうから言わなかったけど、一回"コアラ"になったことあるんすよ。オーストリアの…みんなに抱っこされて、毎日バランスの摂れた食事、天国でした。」
ヨウジ
「ふぅーん…あっそう…君もあれかい、転生歴で人を判断するタイプなんだ?」
ナルミ
「いや…そうじゃないけど、正直言ってしまうと…ヨウジさん、うざったいんですよ、気持ち悪いし、だからヨウジさんに嫌なこと言うんです。実際、嫌なこと言うのも嫌なくらい、苦手な対象です。」
ヨウジ
「おぅ…キイタよ…今の……ナルミくん!僕のが先輩だよ!?もっと敬意を払って欲しいな!後、せめて"対象"って言い方やめて…胸が痛くなるんだ…」
ピンポンパンぽ~ん
『御呼びだしを致します、ヨウジくん、ナルミくん、至急、神様のいる部屋、通称"神部屋"にお越しください。繰り返しません。』
最初のコメントを投稿しよう!