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何もない真っ白な廊下なコツコツと靴が廊下とぶつかり合う音がする。その音は次第にゆっくりとなり、やがて止まる。
その後、ゴクリと生唾を飲み込む音がし、大きな扉がゆっくりと開かれていく金属が擦り合う音がした。
「ああ……キミか」
「ええ……私です」
そこは真っ暗な部屋で、中央に巨大な鳥籠が置いてあるだけだった。
「ははは……そこまで緊張しなくていいよ。別にキミを取って食おうとしてるわけじゃないんだから」
「はい……」
鳥籠の中で寝そべっていた人物は、そう部屋の中に入ってきた人物へ話しかける。
鳥籠の人物は長い銀髪をしており声も高くもなく低くもない。部屋へと足を踏み入れた人物は仮面に変声器を付けた変な奴だった。 お互い、性別に関してはなんとも言えない。
「それで? ボクに何の用かな?」
「はい……頼まれていた事についてです」
「成る程。それは興味深いね。それで?」
それを聞くと鳥籠の人物は体を起こし、ニコリと笑うと視線を部屋にいる人物へと向けた。
「ッ!……こ、コードNo.000が見付かりました」
「ふふふ……遂に〝干渉者〟が現れたね」
鳥籠の人物は目の前の人物が怯えた表情をした事など気にもせずに、より一層嬉しそうな笑顔を貼り付かせた。
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