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「慧人?まだ学校行かないの?」
俺はぼーっとしていたみたいで、母さんが心配そうに話しかけて来た。
まだ時間はあるけど、もう出よう。
悟られてしまうかもしれない。
どうか母さんがチャンネルを変えません様に…
そう願いながら
『行って来ます』
と言って家を出た。
姉が無事ならいい。
その事さえ分かればいい。
……姉さん……
俺がそんな事を思っている間に、いつの間にか学校に到着した。
いつもより遅く歩いていたのか、少し前に出て丁度いいぐらいだった。
「慧人!おはよ!」
そう言って肩をポンッと叩いたのは、同じクラスの
桜 真弓(サクラ マユ)だ。
『おはよう!』
「今日さ、帰りに久々ゲーセン寄るんだけど…慧人も来ない?」
『行こっかなぁ。考えとくわ!』
「分かった♪」
真弓はあのニュースを見ただろうか?
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