我輩は猫である

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だから、我輩は我輩の事を暫定的に『クロ』と呼ぶことにした。 本当の名前はわからない。それでも我輩は生きていく。 ……とは言ったが、いかんせん食料も何もない。あるのは薄汚れた毛布とヨレヨレのダンボールだ。 取りあえずダンボールを被ってみた。 何故か頭のなかに渋い声で「ダンボールは最高のスニーキングツールだ」とか聞こえたような気がする。我輩も弱ってきているのだろうか。だとすれば死にかけてるのか。 うじうじ悩んでも死ぬだけっぽいので、歩くことにした。
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