我輩は猫である

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しかし、我輩は見ていた。 さっきの三毛猫が路地に逃げ込んだのを。 路地にはいると、なかなかの悪臭が漂っていた。表の大通りをいくら飾り立てようとも、一歩路地に踏み込めばこの有り様だ。外国のお偉い方によく見せようと躍起になっているんだろうな。 しばらく歩くと、さっきの三毛猫がおいしそうに鯖をがっついていた。 震えそうな足を奮い立たせ、三毛猫に言い放った。 「ひっ、人の物は取っちゃいけないんだよ!!」 あれ?
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