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「……なんだテメェは。」
予想はしていたが、恐ろしいまでの威圧感である。我輩は震える声でもう一度、
「だから、ひとのもの取るの、めっ!」
やっぱりおかしい。何故か喋り方がおかしくなってしまう。
原因究明の為うんうん唸っていると、
「なぁ、おちびちゃんよ。この世界は甘くねぇんだ。俺だって餌がなくて死にかけたりしたこともある。
こうでもしねぇと生きていけねぇんだよ。」
その言葉は今までの苦渋を凝縮して吐き出したような苦々しさを孕んでいた。
「初対面のお前に、名前すら知らないお前に語っても分からんだろうが、これだけは言っておく。
生きるためなら他人から略奪しろ。他人の不幸を気にするな。自分の事だけ考えてろ。」
その三毛猫は片方だけ残った目を煌めかせ、まるで脅すように語った。
そのあと、三毛猫は何も言わずに立ち去ってしまった。
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