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「どこに行くんですか?!」
「何処か遠い場所に行きます」
「だ、だめです!!行かないでください!!僕お利口にします!!だから、だから…行かないで!…くだ…さ……い、うぅ…」
「…………」
「サンタさ…ん!」
「役目を終わらせないと、自分が許せない」
「嫌…です!!」
「…………」
「もう好きだなんて言いません!!サンタさんが欲しいとも言いません!泣いたりしません…だから!」
「………………」
「だから!…これからも一緒にプレゼント配ってください」
「…そんな事言われてしまうと胸が苦しいです」
「…サンタさん」
「もう、赤鼻のトナカイさんに会わせる顔がないです」
「………僕が会わせます!」
「…………」
「サンタさん…」
「………」
「サンタさん…僕のプレゼントはサンタさんといられる事です」
「…!」
「もう他はいりません」
「………………」
「プレゼント配りのパートナーとしてです」
「赤鼻のトナカイさん…」
「……………だから」
「その言葉も苦しいです」
「じゃあ、なんて言えばいいですか?!」
「それは…」
「僕はサンタさんに何を言っても苦しくなんかないですから!」
僕は嘘つき…
本当は苦しい癖に…
今だって胸が痛い癖に…
「ごめん、今日は疲れたのかも…僕はもう休みますね」
「サンタさん…」
「……赤鼻のトナカイさん、おやすみなさい」
「おやすみなさい、サンタさん」
【おやすみなさい―】
これが大好きなサンタさんとの最後の言葉――
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