サンタさんと赤鼻のトナカイさん

8/10
前へ
/10ページ
次へ
―翌朝― 12月24日 「サンタさん…」 テーブルの上に置いてあった紙を見ながら、僕はその場でうずくまった 【赤鼻のトナカイさんへ 昨日はごめんね、泣かせてしまって。僕は家を出ます。】 なんで… あんな事で家出…? サンタさんが僕のせいで…家出… プレゼントも一緒に配れない… もう顔も見れないのですか? 嫌です…嫌です…サンタさん… 帰ってきてくださいサンタさん…僕を一人にしないでください… 僕はサンタさんがいない家でひとりぼっちで泣きじゃくった “泣いてちゃダメだよ” クリスマスツリーのてっぺんについているお星様が僕に言う 「僕は…どうすればいいの…?」 “探しなよ” 「探すって…何処を探せばいいか…わからないよ…」 “じゃあそのままでいいの?” 美味しそうなクッキーが僕に言う 「…………ダメ」 “そこで泣いてても何も変わらないよ?” 「……………」 “本当に大好きなんでしょ?” 「……うん」 “僕は知ってるよ?赤鼻のトナカイさんはサンタさんが好きだって言うこと” 「………………」 “今ならまだ遠くには行ってないんじゃない?” 「………そう…だよね…」 “サンタさんを探しに行きなよ…赤鼻のトナカイさん” 「…うん!」 “気をつけてね” 「ありがとう!クッキーさん!お星様!僕…行ってきます!」 行ってきます 僕は大好きなサンタさんを探します サンタさんを見つけて二人で帰って来ます、絶対に――
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加