はじまり と おわり

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昼下がり、坂道に建てられたカフェにはサンサンと日が射している。 手元にはダージリンの香り漂うカップ。それは“有花”の大好きなものであったが、今はどうも飲む気にも、況してやそれを持つ気にさえならなかった。 冷めてしまうのもお構いなしに、機嫌の悪い顔で、坂道の下りをずっと眺め…いや睨み付ける。 有花は苛立っていた。 叫びたい程に。
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