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「本当に、いいのか?」
数分の沈黙の後、僕は呟くように言った。
トキワは無言のまま頷いた。
「前から考えてたんだ。
それが、俺の中で決定的になった。
それだけだよ」
「なんで…」
「…知ってるか。
兄妹でも結婚できんだぜ。
俺んとこみたいに血の繋がりさえなけりゃ。
でもさ、俺らはもう家族なんだよ。
父親と母親もいるんだよ。
俺とミクロが結婚したら、どう思うと思う?
たぶんあの人たち、すっげぇ喜ぶよ。
でもさ、自分の子供と、自分の旦那、奥さんの子供が結婚するってなったらさ、たぶん責任感じると思うんだよ。
自分たちが再婚さえしなけりゃ、自分の子供がこんな狭い世界で生きることにならなかったんじゃないかって。
それにさ、やっぱりもう家族なんだよ。
血の繋がりがなくたって、家族なんだよ。
俺らの色恋でさ、家族壊せねぇよ」
一気に話して、トキワは黙った。
煙草の灰が、燃えたままで長くなっていた。
僕は一言だけ、問う。
「好きでもか」
トキワは、ふっと笑って言った。
「好きでもだよ」
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