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―…ぶんぶん、お前虫みたいな名前だな。気持ち悪い近寄るな!お前、お父さんしかいないんだろ。…―
父の転勤した次の中学校で私はイジメられていた。
そんな時、遅れて一人の男の子が教室に入ってきた。
また何か言われるのだろうか…。
そう思ったけど男の子が言った言葉は意外なものだった。
他の罵声を浴びせた男の子達に向かって
「こんなこと言って楽しい?次言ったら殴るよ、おれ。」
と、一人の男の子が庇ってくれたのだった。
その男の子は髪の毛が太陽の光に透けて金色にみえていた。
格好は制服を着くずしいかにも不良というような感じ。
だけど私は不思議と怖いとは感じなかった。
ううん、むしろ、その時の私にむけてくれた笑顔は太陽のように私にはみえた。
あったかい。
笑顔がきらきらしてて私の心を温めてくれるような、そんな笑顔。
―…何で私をあのとき庇ってくれたのかは今でもわからないまま。
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