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ちょうど俺が田村を指差した時、田村は立ち上がって鞄を持ち、こちらを向いた。
「俺、知らね」
優斗が我関せずと部屋を出て行く。
「あわわっ謝りなよっ大樹っ!」
良介が弱々しい声で言う。
「はぁっ!?何で俺がっ!」
そうこうしている間に田村は通路の階段を昇ってくる。
魔女みたいなまつげバサバサの目で俺を睨みながら。
田村は通り過ぎる時に俺からプイッと目を逸らして去って行った。
「もぉ~!田村さん怒ってたじゃん!どうすんの!」
「どうすんのって良介、俺はあんな奴知らんわ」
…怖かった。
目力ヤバかった。
やっぱあんな女絶っっ対嫌やな。
うん。
「さ、良介行くで!これから合コンや!」
「ちょっ…大樹待ってよ~!」
相手してられん。
俺には待ってる天使がおるんや!
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