■..弐

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' 背景(阿久根の部屋) 蘭子「失礼いたします…」 (障子をスッと開けて、接待の女として入り) 客「ん…?おお、これまた美人な接待をお呼びしましたな 阿久根殿」 阿久根「とびきりのをと頼んだからな、名前は?」 蘭子「蘭子と申します…こちらは…」 あやめ「あやめでございます」 (障子を閉めて) 蘭子「お酌を…」 (客の横に座り) 客「これはどうも、すまない …ん、うまい」 (ニヤつき嬉しそうに、飲んで) 蘭子「阿久根様…どうぞ」 (同じく酌そうと) 阿久根「いや、私はいい」 (フッと笑うように酒を飲むのを否定し) 客「阿久根殿は酒には弱いのですかね?」 (苦笑し) 阿久根「ええ、飲めないもので」(こちらも苦笑し) 客「ところで、こないだの山火事…阿久根殿がやったという噂は本当なのですか?」 (わかっているように、あくどくいい) 阿久根「ばれてましたか…クク しょうがなかったんですよ あの土地の住民が、山を私に売らなかったのが悪い」 (悪気なく) 客「こりゃあ…流石阿久根殿ですな、アッハッハ!」 阿久根「それでも上の連中は私の首を切らない… 金の力というのは恐ろしいものだ…クククッ」 蘭子M<…なんて人たちなのかしら…無性に腹が立つわね 天井裏のツバキと桔梗は大丈夫かしら…?> 【天井裏】 ツバキ「おい桔梗…きいたかよ」 桔梗「ああ…あの山をメチャメチャにしたのが阿久根とは …許せないな」 ツバキ「あの山の持ち主…昔よく俺達の世話してくれて すっげぇ良い人だったのに… 権力で踏み躙りやがって…!」 桔梗「落ち着けツバキ…怒りに身を任せていたら命取りだ 杜若隊長の合図を待て」 ツバキ「……わかったよ しかし、杜若隊長…あんな美少女に変化するとは」 桔梗「俺も初めて見た…流石だな」 ツバキ「ああ…!おい、杜若隊長が動いたぞ」 (声を潜め、目を見張り)
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