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背景(阿久根の部屋)
蘭子「失礼いたします…」
(障子をスッと開けて、接待の女として入り)
客「ん…?おお、これまた美人な接待をお呼びしましたな
阿久根殿」
阿久根「とびきりのをと頼んだからな、名前は?」
蘭子「蘭子と申します…こちらは…」
あやめ「あやめでございます」
(障子を閉めて)
蘭子「お酌を…」
(客の横に座り)
客「これはどうも、すまない
…ん、うまい」
(ニヤつき嬉しそうに、飲んで)
蘭子「阿久根様…どうぞ」
(同じく酌そうと)
阿久根「いや、私はいい」
(フッと笑うように酒を飲むのを否定し)
客「阿久根殿は酒には弱いのですかね?」
(苦笑し)
阿久根「ええ、飲めないもので」(こちらも苦笑し)
客「ところで、こないだの山火事…阿久根殿がやったという噂は本当なのですか?」
(わかっているように、あくどくいい)
阿久根「ばれてましたか…クク
しょうがなかったんですよ
あの土地の住民が、山を私に売らなかったのが悪い」
(悪気なく)
客「こりゃあ…流石阿久根殿ですな、アッハッハ!」
阿久根「それでも上の連中は私の首を切らない…
金の力というのは恐ろしいものだ…クククッ」
蘭子M<…なんて人たちなのかしら…無性に腹が立つわね
天井裏のツバキと桔梗は大丈夫かしら…?>
【天井裏】
ツバキ「おい桔梗…きいたかよ」
桔梗「ああ…あの山をメチャメチャにしたのが阿久根とは
…許せないな」
ツバキ「あの山の持ち主…昔よく俺達の世話してくれて
すっげぇ良い人だったのに…
権力で踏み躙りやがって…!」
桔梗「落ち着けツバキ…怒りに身を任せていたら命取りだ
杜若隊長の合図を待て」
ツバキ「……わかったよ
しかし、杜若隊長…あんな美少女に変化するとは」
桔梗「俺も初めて見た…流石だな」
ツバキ「ああ…!おい、杜若隊長が動いたぞ」
(声を潜め、目を見張り)
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