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「それから、奥に居んのがサミュエル・ウィーバー少尉、俺の機のRIO士官だ」
部屋の奥からは、まぁ、はっきり言ってふざけてるとしか思えないような格好をしたウィーバーが出てきた。
カーターも軽く固まっている。
「あんちゃんが新入りかい?よろしく頼むぜ」
「よ、よろしくお願いします」
「まぁ、見ての通りのふざけた奴だ。空以外でこいつの真面目な言動を期待しちゃいけねーぜ」
俺はまるで不審者を見るような目でウィーバーを見ながらカーターに彼の注意事項を伝えた。
「なぁユーリ、そんな目で相棒を見んなよ……」
黙れ、この腐れ変質者が!
俺の言いたい事が分かったのか、ウィーバーはぶつぶつ言いながら部屋の中に消えていった。
「ユーリ、次は誰の所に行くんだ?」
「ん?次はエリの所だけど?」
エドはそれを聞くとニヤケ始めた。
「ははーん、ユーリ、お前、カーターの挨拶回りとかなんとかいって、実は愛しのエリちゃんに会いたいだけじゃねーの?」
「エド、いい加減にしねぇと頭に鉛弾ぶち込むぞ?」
俺は、腰のホルスターに入っている拳銃に手をかけた。
「ユーリ、冗談きついぜ?」
「冗談だと思うか?」
「すいません。もう言いません」
俺は、エドの言葉を聞いて銃から手を離した。
「わかればよろしい………って、言うと思うか?」
俺は、銃から離した手を振り上げてエドの頭に渾身の一撃を加えた。
軍のなかでも腕力が無い方の俺のゲンコツだが、あれは流石にダメージがあるだろう。
ざまぁみろ、エドめ。
「いってぇぇ」
案の定効いたらしい。
「カーター、こいつみたいになっちゃ駄目だぞ」
俺はエドを指差しながらカーターの方を向いて言うとカーターは、まだ固まっていた。
「おい!カーター、戻ってこい」
「は、はい」
俺とカーターはエドとウィーバーの部屋を後にしてエリの部屋に向かった。
「隊長、一つ良いですか?」
カーターが不意に質問してきた。
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