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「まぁ、我が隊の人間なら最低2回は財布を空にされてるはずだぜ?2人の隊員を除けばな」
俺はポケットから煙草を出して火を着けながらカーターに教えてやった。
「1人はタチバナ中尉で、もう1人は?」
「知りたい?」
カーターが頷く。
ニヤリ
「俺だよ」
「隊長……ですか?」
おい、なんだよその目は……
コイツ信じてねぇーな。
「お前、疑ってんだろ?」
「いえいえ、とんでもない」
そうは言ってるものの俺には分かるぞ、目が疑ってる。
決定、コイツに金を貸すときは利子の率を上げよう。
そんなことをしているとハンスたちの部屋に着いた。
「ハンス、ラッセル、居るか?俺だ」
「隊長?何かありましたか?」
中からラッセルとハンスが出てきた。
「新人のジョン・カーター少尉だ。カーター、右がハンス・ミューラー中尉、隊の4番機だ。そんで、左が、ラッセル・ケース少尉、エドのRIO士官だ。」
俺が紹介を終えると、ハンスがカーターに手を差し出した。
「ハンス・ミューラーだ。よろしく頼むよ」
ハンスはそう言うと、部屋の奥に消えていった。
「初対面の相手にはああなんだよ。他意はないから許してやってくれ。ラッセル・ケースだ」
ハンスの奴、相変わらずだな……
「ジョン・カーターです。そうなんですか?」
「ああ、ハンスは南ベルカ、今のノースオーシア州の出身だ。ベルカ人だって言うだけで差別を受けたらしくてな。警戒心が高いんだ」
「あれ?そう言えば、隊長もベルカ系ですよね?名前もベルカ語読みだし…。隊長は何かあったんですか?」
カーターがラッセルの説明を聞いて質問してきた。
「ん?俺か?俺はこんな性格だからな、それに俺はベルカ系って言っても3世だしな。あと、親父が海軍だってのもあるかもな」
「なるほど、なんか隊長って差別されてても気付かなそうですよね」
おい!カーター、お前は俺を一体なんだと思ってんだ?
「まぁ、とりあえずこれでヴァルキリーの隊員は全員だな。後、会っとくべき人は……少佐かな」
俺たちは、次にロマノ少佐の部屋に向かった。
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