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行っちゃったよ……
「さて、どうするかな」
エリとカーターの勝負でも観戦するかな。
俺はレディルームに向かった。
レディルームに向かう途中にアロー隊の隊員が居た。
あれ?アロー隊って訓練飛行なんじゃなかったっけか?
「おい、ジミー、なにやってんだ?アローは訓練飛行だって聞いたんだが?」
俺が声を掛けるとジミーは困り果てた表情て俺の方を向いた。
「ランツァート大尉、ロマノ隊長を見ませんでしたか?時間になってもなかなか現れなくて」
なるほど、入れ違いか。
「少佐なら今さっきレディルームに行ったぞ」
「本当ですか!?まったく、あの人は……ありがとうございました。失礼します」
ジミーは、やれやれといった感じでレディルームに戻っていった。
まったく、隊長が部下に迷惑掛けてどうすんですか……
とは言っても、俺も人の事言えないかもなぁ……
レディルームに着くともうゲームは終わったらしく、カーターが魂が抜けた感じになっていた。
「カーターのぼろ負けか?」
「えぇ、稼がせてもらったわ」
エリがドル札で扇いでいる。
一体いくらふんだくったんだ?
「カーター、金が必要になったらヴァルキリーバンクことユリウス・ランツァート大尉のところまでどうぞ。利子は高いが貸してやるからな」
カーターは、隊長は鬼だ。とかなんとかぶつぶつ言っている。
「ったく、しょーがねーな。おい、カーター、良いとこつれてってやっから立ち直れ」
カーターはうーうー唸りながらも俺についてきた。
俺はレディルームを出て、フライトデッキに上がって行った。
「隊長、良いとこってどこですか?」
「着いてからのお楽しみだよ」
俺はフライトデッキに出ると、デッキの端に立った。
もうちょっとだな。
しばらくすると、沈んでいく夕日を背にして5機のF/A-18がこっちに向かって飛んできた。
「おぉ、カッコイイ!!」
カーターは目を輝かせた。
「この海域でこの時間にアロー隊が上がるとな、少佐が格好つけてやるんだよ」
まぁ、俺としては綺麗な夕日を見せようとしたんだがな……
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