35人が本棚に入れています
本棚に追加
雲一つ無い青い空。
俺はこの空が好きだ。
何故かって?
気持ちいいからに決まってるだろ。
ピピッ!ピピッ!
F-14Dのコックピットそんなことを考えていると不意に無線が鳴った。
『スネークよりユーリ、平和な空ってのは良いもんだねぇ』
右翼側を見ると、エドがF-14Dのキャノビー越しに親指を立てているのが見えた。
「まったくだ」
俺は正面に視線を戻すと空母管制室への回線を開いた。
「ヴァルキリーリーダーよりランバール管制、周囲哨戒任務を完了した。着艦許可を要請する」
『ランバール管制よりヴァルキリーリーダー、了解した。着艦を許可す、待て……緊急事態発生、本艦を基点に方位271に国籍不明機を3機捉えた。ヴァルキリー、対応に当たれ』
やれやれ、楽しい遊覧飛行が終わると思ったら最後の最後でどんでん返しとは……
『おい、管制!俺たちにガス欠で落っこちろってのか!?』
エドが管制に無線で文句をいい始めた。
「おいエド、まだ燃料は持つから大丈夫だよ。こちらヴァルキリーリーダー、了解した。これより国籍不明機の対応に当たる。ヴァイパーより各機、271に旋回」
『ちぇっ、帰ったら危険作業手当て、ちゃーんと申請すっかんな』
『エド、少しは静かにして操縦できないのか?』
エドは、後席のラッセルに嫌みを言われつつ旋回する。
『クラウド、了解。まったく、人使いが荒いわね』
『ウィンダム、了解した。ほんとだよ』
エリとハンスも不満を漏らしながらも旋回する。
「ユーリ、俺たちも行こうぜ」
後席から俺のRIO士官のウィーバーが声を掛ける。
「あいよ」
俺は、操縦桿を倒して旋回して他の機と合流した。
最初のコメントを投稿しよう!