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「固いこと言うなよなぁ。だんだん親父に似てきたな、ウェルキンも普段は間抜けてたけど妙なとこ真面目だったぜ」
なんなんだ今日は厄日か?
なんでみんなに間抜け呼ばわりされなきゃいかんのだ!
「まぁ、少佐は置いといて、みんな生きてるな?んじゃ、戦果報告だ」
「エリ・タチバナ中尉、1機撃墜」
「エドワード・マッコール中尉、獲物無しだ。トホホ」
「ハンス・ミューラー中尉、撃墜0です」
「ロバート・ロマノ少佐、戦果0だぜ」
「少佐、いい加減にしてください。ユリウス・ランツァート大尉、撃墜2機」
「例の国籍不明機か?」
少佐は何故かエドにちょっかいを出しながら聞いてきた。
「えぇ、少佐はどう思いますか?」
「向こうと言ったらユークしかないだろ?」
そのあとしばらく少佐と意見交換して解散した。
ユーリはブリッジからウイングに出て、設置してある対空監視員用の椅子に座った。
「ユーリ、また空眺めんのか?」
「キングストン少佐、寝ないようには努力しますよ、まぁ何時も努力してんですけどねぇー」
俺は椅子の上で大きく背伸びすると、ぼーっとそらを眺めた。
やっぱ空って良いなぁ……あんな戦闘があっても空は相変わらず青くて綺麗だな。
ん?戦闘機のエンジン音?
上空を見ると1機のF/A-18Eが着艦体制に入っていた。
俺は椅子から降りて管制室に向かった。
「誰なんだ?」
「ジョン・カーター少尉、ユーリ、お前んとこの新入りだよ」
「あー、新人か、無線通じる?」
管制官は頷きながら、無線を俺に渡してきた。
「あー、あー、カーター少尉、聞こえっか?」
『はい、聞こえています』
だいぶ若い声だな。
「俺はヴァルキリー隊隊長のユリウス・ランツァート大尉だ。明日からのお前の上官だ」
『ジョン・カーター少尉です。TACネームはヴァンガードです』
「よろしくな、まぁ続きは降りてきてからな」
俺はそう言うと無線を管制官に返して部屋に向かった。
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