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 お前ら都会に行けよ。田舎のおばあちゃんとおじいちゃん、おっちゃんおばちゃんがきんちょに迷惑かかるじゃないか。  何が「甘い」だ。よくもまあキザなセリフを吐けるなあの男。あの女の人もそう。まったく。  さっさと通り過ぎよう。心なしか凄く鉄臭いような、血腥い香りが漂ってきた。 「え、なに……」 「む……ん?」  男が振り向く。  目が合い、私を一瞥(いちべつ)してすぐに「行為」に戻る。  ほっと一息をつく。さして私の事を気にしてないみたい。よかった。  だけど女の人の嬌声がどことなく悲鳴のようになった気がする。 「いた、い、やめ……あぁあああ!」
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