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「はあ」
「……よく、んなくそ甘いもの飲めるね」
「僕の好みに文句でもあるの?」
ちら、と細めたままの赤い瞳が向けられる。
じっとりと睨むそれは、明らかに脅しの要素を孕んでいて、例えるなら蛇。そして私は蛙。
「ねぇ」
ああ怖い。
私は根性なし。
あまり認めたくないけどへたれて生きてるから、怖いものには滅法弱い。
長いものには巻かれたいけど、いつかは自分が長いもの側になりたい、なんて野望を持ってる。
「いいえっ、ありませんとも!」
「ふうん」
会話終了。なんて殺生なひとなんだろうか、この男は。
男――確か名前が「ろいる」とか言っていた。
どう漢字を当てはめても、日本人らしい名前にはならない、と思う。
炉要? 路異留? ――まあ、私には関係ないけど。
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