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 そして何故私とロイルがこのようにコーヒーをかたや優雅に、かたや普通に飲んでいるのかと言われれば、まあ朝食代わり? というものらしい。  「らしい」と言うのは、彼が言っていたからであって、別に私が言い逃れをしたいからって訳ではないことを理解してくれると凄く嬉しい。 「のどかわいた」  いや待てコーヒー飲んでたじゃん。  なあんてこと、根性なしである私が言えるはずなくて、それ以前に若干身の危険を本能が感じるあたり、これは逃げなければいけないんだろう。  多分、半分ほど命がけな、リアル鬼ごっこの始まり。  コースターにカップを置いて、アンティークのような椅子から立ち上がる。  それと同じようにロイルも立ち上がる。  見つめ合う私と男。  実況する側ならどんなに愉快なんだろうか。ひーひー爆笑しながら、実況したい。無理な話だけど。
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