♯10.重力操作〔グラビティー〕

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2 学園内、玄関近くの廊下で神谷蛭牙とクシル=フィールドは対峙していた。 神谷の足元にはマーシャル=フォルカスが右足で顔を踏まれている。 神谷とクシルの間には、木乃枷雨林が片膝をついている。 「か、神谷ッ!?」 「あァ? んだ、木乃枷か」 神谷蛭牙と木乃枷雨林は知り合いだった。実は同じクラスメートだったのだ。 「助けてくれ、あいつが!!」 神谷の方まで立ち上がり走った雨林は、クシルを指差しながら今までのことを軽く説明した。 「よく分かんねーけど、オマエも……コイツと一緒かよ」 神谷は足元のマーシャルを軽く蹴飛ばした。 クシルはその状況を見て、背筋に悪寒が走った。 もともとクシルは、マーシャルの付き添いで来たわけで、マーシャルの部下であるクシルは実力的にもマーシャルより下だ。 「…………ッ」 「なんだなんだなんですかァ、ビクついて声も出ませんか?」 挑発的な笑みを浮かべながら、言葉を吐き捨てる。 「……マーシャルさんが」
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