♯10.重力操作〔グラビティー〕

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3 「あとは力を使いこなせるようになるだけですよ」 ザァー、と川の水が流れる音が聞こえる中、二神悠斗と東仙歌神は話をしていた。 「それが……難しいんだよ」 「発動するのはピンチの時だけ。どうしてもそれ以外では使えない。……なぜ?」 「知るかぁ!! こっちだってそれが分かれば苦労ねーよ」 二神は立ち上がり、川の方に歩いて行く。 両手で水をすくいバシャバシャと顔を洗う。 「てか、晩飯は?」 「……ないですよ?」 その後、沈黙が続いた。 タラタラと汗を流す二神悠斗が見ているのは、クエスチョンマークを飛ばしてくる東仙歌神だ。 「どーすんの?」 「……さぁ」 この時まで、実はあまり東仙とは関わりが無かった為知らなかったが、今分かった。 「お前、普段飯ってどうしてんの?」 「適当に何か買って食べてますけど、それが何か?」 東仙歌神。実力こそ大人並みの力を持っているものの、中身はまだ子どもだった。 「はぁ、一旦山下りようぜ? 腹減ってきたし」 「…………そうですね」 二神はもう一度、深い溜め息をついた。
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