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「あとは力を使いこなせるようになるだけですよ」
ザァー、と川の水が流れる音が聞こえる中、二神悠斗と東仙歌神は話をしていた。
「それが……難しいんだよ」
「発動するのはピンチの時だけ。どうしてもそれ以外では使えない。……なぜ?」
「知るかぁ!! こっちだってそれが分かれば苦労ねーよ」
二神は立ち上がり、川の方に歩いて行く。
両手で水をすくいバシャバシャと顔を洗う。
「てか、晩飯は?」
「……ないですよ?」
その後、沈黙が続いた。
タラタラと汗を流す二神悠斗が見ているのは、クエスチョンマークを飛ばしてくる東仙歌神だ。
「どーすんの?」
「……さぁ」
この時まで、実はあまり東仙とは関わりが無かった為知らなかったが、今分かった。
「お前、普段飯ってどうしてんの?」
「適当に何か買って食べてますけど、それが何か?」
東仙歌神。実力こそ大人並みの力を持っているものの、中身はまだ子どもだった。
「はぁ、一旦山下りようぜ? 腹減ってきたし」
「…………そうですね」
二神はもう一度、深い溜め息をついた。
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