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バキッ!! という轟音が廊下に鳴り響く。
それは、クシル=フィールドが神谷蛭牙に顔面を殴られた音だった。
「残念でしたァ!! とっとと逝きやがれクソッタレがァァ!!」
クシルの放った手榴弾を避け、右拳を振るう。
そして重力を強くし、クシルを地面に落とそうとし、途中でそれを止める。
空中で止まったクシルは、ちょうど蹴りやすい場所にいた。
思いっきり足を振りかぶり、それをクシルにぶつける。
「カ……ッ」
吹っ飛ぶクシルに重力を乗せ、地面に叩きつける。
これまで、ほんの数秒の出来事だった。
次に神谷が行ったのは、まるでサイコキネシスのようなものだった。
倒れるクシルは突然、横の壁に勢いよくぶつかった。
「実力差を思い知りやがれ。クソヤロォが!!」
重力操作。
それはあまりにも非常識で、理不尽な能力だった。
クシルはもう立ち上がれない。
侵入した二人の悪魔は、一人の風紀委員によって阻止された。
たった一人の学生に。
学園最強のたった一人の男に。
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