♯10.重力操作〔グラビティー〕

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4 バキッ!! という轟音が廊下に鳴り響く。 それは、クシル=フィールドが神谷蛭牙に顔面を殴られた音だった。 「残念でしたァ!! とっとと逝きやがれクソッタレがァァ!!」 クシルの放った手榴弾を避け、右拳を振るう。 そして重力を強くし、クシルを地面に落とそうとし、途中でそれを止める。 空中で止まったクシルは、ちょうど蹴りやすい場所にいた。 思いっきり足を振りかぶり、それをクシルにぶつける。 「カ……ッ」 吹っ飛ぶクシルに重力を乗せ、地面に叩きつける。 これまで、ほんの数秒の出来事だった。 次に神谷が行ったのは、まるでサイコキネシスのようなものだった。 倒れるクシルは突然、横の壁に勢いよくぶつかった。 「実力差を思い知りやがれ。クソヤロォが!!」 重力操作。 それはあまりにも非常識で、理不尽な能力だった。 クシルはもう立ち上がれない。 侵入した二人の悪魔は、一人の風紀委員によって阻止された。 たった一人の学生に。 学園最強のたった一人の男に。
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