♯10.重力操作〔グラビティー〕

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5 「俺は……このハンバーグセットで。お前はどーすんの?」 「では、私はランチセットを」 かしこまりました。と言って店員は店の奥に戻っていった。 二神悠斗と東仙歌神は山を下り、近くにあったファミレスに入っていた。 「それにしても不幸な一日だった」 二神はしみじみと呟いた。 「そんなことは言ってられませんよ。少しずつ時間は迫っているんですから」 「わかってるよ。時間がないことくらいはさ……」 イヴの処刑が近づく中、二神悠斗も焦りは感じていた。 しかし、今突入しても自分には何も出来ないことも分かっている。 その微かな可能性は、二神の奥底に眠る能力だった。 「今は修行に集中してください」 「…………あぁ」 厨房から料理を持って出てきた店員は、その場に立ち尽くしていた。 (重い……なんか空気が重いよ、あそこ) 両手にはハンバーグセットとランチセット。 つまり、二神たちの席に料理を持っていかなければならない店員だった。 「何やってんだ。早く持っていけバイト!!」 「は、はい。すいませんです」
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