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「それじゃあお願いしようかしら」
神谷と雨林も黒澤に習いユニバードの顔を見た。
「私たち悪魔というのは、その目的は罪人に罪を与えたりする感じですか。分かりやすくいいますと」
「治安維持局〔セキュリティー〕と同じような感じなのかしら?」
「んじゃ、いいもんなんじゃねーの?」
「さて、どうかしら」
黒澤と雨林の会話がある程度済んだことを確認したユニバードは続けた。
「彼たちは私の中にある『力』を狙ってきました」
「『力』って?」という黒澤の質問に、ユニバードは話を続けた。
「今より少し前に、罪を犯した悪魔がいたらしくて、その悪魔を処刑するらしくて……」
「処刑の為には、テメェの『力』ってのが必要ってワケか」
話の途中で神谷が言葉を代弁した。
「はい。それで、あの悪魔たちは私を連れていくためにここに来ました……」
「ふぅ、だいたい分かったわ。この一環の事件の中心にいるのがあなただと言うことね」
「…………はい」
会話を進めていく黒澤とユニバードについていけない雨林を放っておいて、神谷が言った。
「なら、とっととここを出て行きやがれ。クソガキ」
冷酷な言葉をユニバードに突き刺す。
それを聞いたユニバードはうつむき黙り込む。
「そんな言い方ないでしょう。彼女にも理由があるはずよ」
「……私は処刑なんかに手を貸したくなんかないんです。だから逃げて……」
「とんだ迷惑ヤロォじゃねーか。逃げたきゃ勝手に逃げやがれ」
「まぁまぁ」
そう言って神谷の頭をビシッと叩き、黒澤は言った。
「乗りかかった船じゃないの。私たちにも出来ることってあるんじゃない?」
「……チッ、とんだお人好しヤロォだな。テメェはよォ」
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