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7
長い長い一日が終わり、そして二日が経った。
イヴの処刑まで後六日となる。
「どーだぁぁあああ!!」
二神悠斗の叫びが山の中で木霊する。山びこからの返事までもが返ってきた。
もう日も落ち始めているので、山の下に住む人たちに迷惑なのではと思ってしまうくらい大きな声で。
「ま、上出来ですね。と誉めておいてあげますよ。今のところは」
東仙歌神は呆れながらも、そんなことを口にした。
「処刑まであと六日です。そろそろ仕上げといきましょう」
「仕上げ?」
二神は何のことか分からず、聞き返す。
今までは二神の『能力を無力化する力』を引き出すための修行。
そして、やっとのことである程度使いこなすまでは達成した。
そして、さっきの二神の叫びに繋がっていく。
「ここまであなたの成長が早いとは思いませんでした」
「はは。まぁな」
照れながら笑う二神に、東仙は背伸びをしながら頭にチョップをくらわせた。
「調子にのらないでください」
「……すんません」
「それで、最後の仕上げですよ。戦ってもらいます」
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