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短くなったタバコを灰皿に押し付け火種をもみ消す。やはり吸殻の量が多すぎて消し辛い。――後でちゃんと捨てておかなければいけないな――そう心の中でぼやき――おそらくする事は無いだろうけど――と頭の隅で考えてしまう。こう云った所が片付けをしなくなる原因かもしれない。面倒臭がりな性格がよくあらわれていて、少し悲しくなる。
起きてから何度目かのため息を付くと、僕は新しいタバコを取り出し、火を点け、また吸う。吸う度に火種は明るくなり、吸うのを止めると霞んでいく。煙を吐くたびにそれは風に消されていく。
僕はそれをただひたすら、ぼんやりと眺める。
火種。
吸引。
吐息。
紫煙。
夜風。
煙滅。
その、繰り返し――――。
――ボーっとするのは人生無駄にしているのと同じ事だから止めた方が良いよ。
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