アレ

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一人のスーツケースを持った男が周りを気にしながら歩いて行く。 「ついた……一分前かギリギリだな」 男は大きな倉庫のような建物の扉を開けた。 「おい!何をしていた?遅いぞ!!」 建物の中心にいる男が言う。 「まぁ落ち着け。まだ六時になってない。」 スーツケース男は焦りつつ冷静に返す。そして、ボスかと思われる中心の男へと歩き出す。 「それにアレは持って来たんだ。金は用意できているのか?」とスーツケース男 「もちろんだ。早く見せろ。」とボス 「金が先だ。」スーツケースを渡しながら男は言った。 「しょうがない…。」ボスは金を渡しつつスーツケースを受け取った。「お、いい感じの銃じゃないか。」 「気に入ったみたいだな。おっと試し撃ちはオレが帰ってからにしてくれ。威力が強すぎでな、そこまでヒマじゃないんだ……。」 「ハッ、これが手に入ればお前に用はない。まあ、気を付けて帰れ。」背中で声を受けながら男は出ていった。 「金が儲かって他のヤツらも殺せる。オレは最強のマフィアだね。」 倉庫を出てどれくらい経つだろうか、男は意味ありげに笑った。 数秒後、倉庫―マフィアのアジト―は粉ごなに吹き飛んだ。
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