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「……ま、眩しい」
窓から零れる日差しが顔面にダイレクトアタックをしている。
今は朝、今日は始業式。
即ち学校……鬱になるぜ。
「お兄ちゃん起きて!朝だよ」
俺が惰眠を貪っていると俺の可愛らしい妹、千代が起こしに来てくれた。
今日も千代は世界一可愛いよ。
千代は起きない俺を必死に起こそうとしている。
千代の髪を止めている二つのヘアピンが日差しに反射して輝いている。
あのヘアピンは俺が千代の誕生日に贈った物だ。
「もう!お兄ちゃん、どうなっても知らないよ」
千代は俺の体を揺らすのを諦めたようだ。
頬を膨らませている姿が容易に想像できる。
「あ!桜お姉ちゃん」
「おはよう千代」
俺は布団を吹き飛ばし爽やかな笑顔を千代に向けた。
あれ?桜がいないような。
「お兄ちゃんおはよう」
千代のこの笑顔!?
まさか図ったな。
千代……悪魔の呪文を修得してしまったようだ。
「千代……桜が来たって嘘は止めてくれ…心臓に悪い」
ホント心臓が俺の体を突き破って飛び出るところだったぜ。
「何で心臓に悪いのかしらね」
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