居眠り姫と目覚まし王子

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「あ、晃くん」 突然、声をかけられた。 ふと振り向くと、そこには1人の女性が立っていた。 「こんばんは、愛さん」 彼女の名前は篠原 愛(しのはら めぐみ)。 このスーパーに通いだしてから仲良くなった主婦(主夫)友達だ。 見た目は童顔で、背も低いのでよく未成年と間違わられるらしいが、実は未亡人で男の子が1人いる。 今では家族ぐるみで出かけたりする仲で、姉のよき相談相手、僕たち姉弟のよき理解者の1人だ。 「今週のタイムセールは負けないからね?」 「またやるんですか?」 毎週タイムセールになると僕は愛さんに勝負をさせられている。 …勝負というのはどちらが多くセール商品を手に入れられるかという、子供かよ!と思わずツッコミたくなる内容だ。 「嫌ですよ無駄な物は買いたくありませんから…」 結局手に入れた商品のほとんどはコーナーに返している。 「えぇ~やろうよ~楽しいじゃない?」
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