居眠り姫と目覚まし王子

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姉の増田彩香(ますださいか)は漫画家だ。美大を出た後、漫画家になった。 漫画家という職業ゆえ、締め切り直前はどうしても不健康な生活になってしまう。 頑張って働いてくれるのはありがたいのだが… 「晃~朝ご飯まだぁ~?」 妙に間延びした声がリビングから聞こえる。 「…今から作るんだよ」 「えぇ~お腹すいたぁ~早くぅ~!」 「…わかったよ」 …おわかりだろうか? そう、姉は家事が全く出来ないのだ。 前に料理をさせたら… 「晃、できたよ!食べてみて!」 紫色の物体が出てきた。 「……何だこれは?」 「何だって…カレーだけど?」 「カレー…?紫色してんじゃん!」 「いいから食えぇぇぇぇぇぇ!」 口に紫色の物体が押し込まれた。 「ぐほぉぉあ!」 僕は謎の悲鳴をあげ、倒れた。 …なんてことがあったのだから。 家事なんてさせたら多分、家が壊れる。 だから家事は僕が全部やっている。
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