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稲森美純───居眠り姫と呼ばれる彼女は、名前の通り、授業中居眠りをしている。なぜか午後の授業中だけ。
僕はコイツがあまり好きではない。
毎日早起きして姉貴の分の朝ご飯まで作って…という家事をこなす生活をしている僕にとっては、寝坊は最大の敵だ。
だが、稲森美純は平然とした顔で寝坊というものをやってのける。それが僕にはとっても気にくわない。
僕だって本当はもっと遅くまで寝ていたい。
けど家事をやらないと多分、姉貴は倒れてしまうだろうし、そんなのんきなことは言ってられない。
授業中に寝ている稲森を見ると、言いようのない怒りが込み上げてくるのだ。
稲森は寝ている時は正直、 とても…かわいいのだ。 顔だけは悪くないから。
寝顔は天使と言ったら言い過ぎかもしれないが、寝ている時はかわいい。とても幸せそうに寝ている。(それが僕にとってはムカつくのだが)
しかし一度起きると…
「…何よ あんた殴られたいの?」
こんな感じで…
「ぐはぁ!」
──その瞬間、僕の頬に稲森のパンチが炸裂した。
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