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その日の午前は何事もなく授業が終了。
今は昼休みだ。
原崎と教室で机をならべて座っている。僕は自作の弁当のふたを開く。
「おぉ…さすが晃!今日もうまそうだな」
原崎が感嘆の声を漏らす。僕の今日の弁当は昨日の夜飯の残りとご飯で構成されている。
「お前は今日もコロッケパン?」
原崎の昼食はいつもコロッケパン2コだ。
「おうよ!だってうちの学校のコロッケパンうますぎるからさ!つい食べちまうんだよ!」
毎日食べていい加減飽きないのだろうか…?
「たまには他の物食えよ!炭水化物だけじゃなくて。」そんな忠告をしつつまわりを見るとみんなだいたいお昼は買って食べている。
弁当派は僕を含めて数えるほどしかいない。
そんな中で1人だけ机に突っ伏せている人物がいた。
その人物は寝ているというよりも、空腹を抑えるために突っ伏せているといった感じだ。
「ぐうぅ~…」
不意に、悲しくなるような音が鳴る。
その音の主はもちろん机に突っ伏せている人物こと、
稲森美純。
彼女は毎日昼休みは机に突っ伏せている。
恐らく彼女毎日寝坊しているようなので、弁当を作る暇もなく、昼飯のお金も忘れるという感じであろう。負の連鎖に陥っているのだ。
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