僕の頭の中の消しゴム

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「おはよう、チャミ。俺が解る?」 毎朝の日課。 ユチョンは僕に聞く。 自分が解るかと。 最初は不愉快だったこの質問も最近ではとても大切なんだと思う。 確実に頭の中の消しゴムが消していくスピードが速まってるから。 「おはようございます、ユチョン。今日も貴方が解りました。」 腕の中で微笑めば嬉しそうに抱き寄せてくれた。 この温もりは僕の不安を一瞬で消してくれる。 僕は多くは望みません。 でも神様、これだけは叶えて下さい。 頭の中の消しゴムが消しても消してもユチョンの事だけは覚えておけますように。 最後の最後に貴方の名前を呼びたいから。 微笑む貴方の顔を僕は心に刻むようにずっとずっと見つめてた。 fin.
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