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沙織は赤ワイン煮なるものをわけた。
うーん。
香りだけでも白飯が食える感じだ。
パンでもいいが、飯がいい。
「沙織」
「ん?」
「白飯、ある?」
沙織は眉毛を上げて得意げな顔になった。
「あるよ、炊飯器」
さ、さすがだ。沙織。
炊飯器から湯気が立っている。
「あと三分くらい、蒸らして」
蒸らして、の意味がわからない。
「蒸らすって?」
沙織は笑った。
「そのままにしておいて」
「はーい」
そういうことか。
「理は料理しないの?」
「うん。しない。外食専門」
「ふーん」
「沙織は毎回、こんなに作るの?」
「ううん、残業あるときはオリジンとかコンビニ。その分休日は頑張るけど」
沙織は正直。
沙織は盆にワイン煮と、スプーンと箸、ナイフをもって部屋に運ぶ。
その後、炊きたての白飯を運んだ。
小さいテーブルは料理でいっぱいになる。
コップに水を入れカンパイ。
「お疲れ様~」
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