品川事務所

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  「うん。どうしたの? 何かあった?」 優しく聞き返す。 「な、何もないけど。仕、仕事、順調?」 ハハ、そんなこと聞くために電話したのか? 違うな。 俺と同じ気持ちかな。 「うん。だいぶ、上手くいっているみたい」 「そう。よかった・・・・・・」 オイオイ、会話が終わっちゃうじゃないか。 ちょっと助け舟。 って、俺のほうが電話もらって助けてもらってるんだけど。 「上手く行けば、二時には上がれそう」 「ホ、ホント?」 沙織の喜んだ声。 やっぱり。 カワイイ奴。 「うん」 「そうか。よかったね」 よかったね? 俺は、それだけじゃ、よくない。 「うん。明日も仕事しなくて良さそう」 「そう・・・・・・」 俺の悪い癖。 沙織の困っているのを楽しむ癖。 いかんな。 こういうのは、やっぱり、男から言わないと。   
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