1497人が本棚に入れています
本棚に追加
「この後、沙織の家、行っていい?」
沙織は一瞬、黙った。
「・・・・・・う、うん、いいよ」
でも、喜んだ声だった。
「わかった。
じゃあ、俺、一度、寮に戻ってから行くから」
「うん」
残業続きの男の一人暮らし。
大抵、土曜は、洗濯、掃除、睡眠で終わる。
寮に帰って洗濯くらいはやっておかないとマズい。
「じゃあ、多分、七時ぐらいには行けると思う」
「わ、わかった」
「うん」
「え、えっと、ゆ、夕飯は?
よ、よかったら作るけど」
沙織の声は自信なさげだった。
作れるのか、料理?
まあ、マズくても、我慢するけど。
「うん。じゃあ、お願い」
「何、食べたい?」
「うーん、肉かな、元気でそうなやつがいい」
俺は肉食。
「うん、わかった。じゃあ、七時くらいに」
「うん。何かあったら電話する」
「はい。じゃあ」
沙織は電話を切った。
最初のコメントを投稿しよう!