1.興味ない

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―――――――――――――――――――――――― 『コウちゃん、あのね、これ半分あげる!』 何の偽りも、計算もない笑顔。 彼女の笑顔に何度救われただろう。 彼女と出会った頃、俺は母親と暮していた。 物心ついた時には、すでに両親は不仲で、いつも家には何とも言えない空気が漂っていた。 俺が小学校に上がったのを機に、両親は離婚。 俺は母親に引き取られることになった。 最初は穏やかな日々が流れていたんだ。 親父がいないのは寂しいけど、母さんが笑う顔を見るのは嬉しかった。
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