1.興味ない

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『ねぇ、コウちゃん』 俺をそう呼ぶ彼女の声。 大げさすぎるかもしれないけど、 何もない、出口もない、 終わりもない世界に差し込む光みたいだった。 初恋はいつの間にか始まっていて、 そして、 静かに終わった。 ―――――――――――――――――――――――― 「………」 「…光輝?」 シャツの中に潜り込ませた手を止めた。 だめだ。 あの子のことを思い出すと、急に色んなことが、 無意味で、汚くて、恥ずかしいことに思えてしまう。 「…なんか、もういいや」 「え?」 「じゃあな」 後ろで名前を呼ばれたけど、俺は振り返ることなく階段を降りた。
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