参 イトククリ

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「……あれだよね、このシステム考えた人って確実に変態だよね。負けたのが千束ちゃんで本当によかったよ……」 「そう?」 「男にこんな事されたらしばらく立ち直れない自信があるなぁ。特に優斗とか雅博(まさひろ)辺りは勘弁したいね」  千束には分からない、男なりのこだわり、があるのだろうか。宗則はネクタイを締め直し、ふー、と長い息をつく。 「オレは片付けてから帰るけど、千束ちゃんはどうする? 送ってってあげようか?」 「遠慮しておく。遠くないし、歩いて帰るよ」  ついでに昼間しそびれた買出しにも行きたい。立ち上がって軽くほこりを払った。
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