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「皆参加するのにお前だけがいないとか味気なさすぎだろ!?」
「那由多の気のせいだろ」
「んな事ねぇよ! もっとハッスルしようぜ、熱い青春をエンジョイしようぜ!?」
「めんどい」
「もう俺の負けでいいからちょっとぐらい戦ってくれよっ!」
「その役目は俺以外の誰かに任せた」
「うわぁーん!」
もう何百回も、何年も繰り返しているやり取りに、託志はふわぁとあくびをした。何というかもう、今更だ。
「もう何なんですの、うるさいですわ!」
と、向かいの部屋の障子がスパァーン!と開いた。長い黒髪をツインテールにした、黒いセーラー服を着た小柄な少女は、那由多と託志を見てパチパチとまばたきをした。
「あら、那由多お兄様。そんな凌辱ヒロインのような顔をしてどうなさいましたの?」
「りょ、りょう?」
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