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聞き慣れない単語に戸惑う那由多。そんな那由多を気にせず、託志は少女に目線を向けた。
「優奈。話ややこしくなるから帰って」
しかし優奈と呼ばれた少女はにぱーっと笑った。
「そういうわけにはいきませんわ! 那由多お兄様と託志お兄様がセットだなんて腐女子的に美味しい状況ですもの!」
目を輝かせる優奈に、託志は長いため息をついた。那由多はまだ「りょうじょく」の意味が分からないらしく、クエスチョンマークを頭に浮かべている。
「さあ、今度は何があって那由多お兄様を啼かせたのか、詳しく言ってもらいますわよ!」
「別に泣かせてないし」
「な、なあなあ託志、『りょうじょく』って何? うまいのか?」
「俺に聞くなし」
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