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「追放!?何で?ジル何かしたの?」
『俺の体毛が黒いからだ。本来、聖獣の体毛は白。黒は、不幸を呼ぶと言われているらしい』
淡々と紡がれるジルの言葉に、リオンの瞳が怒りに燃えた。
「それだけ!?何で色が違うだけで追放なの!?酷すぎる!!」
『…?何故そんなに怒っている?』
心底解らない、という声色でジルが尋ねた。
「これが怒らずにいられるか!!ジル!君は今日から僕らの家族だ!一緒に暮らそうよ」
『リオンと…?』
「うん。僕の他にも、お父さんやお母さん、姉さんがいるよ。ぁ、嫌なら別に強制しないけど」
不安気にジルの瞳を覗き込む。
『お前がそれで良いのなら、俺は構わない。
帰る場所など無い上に、元の精獣界には戻れない』
「やった!!…ってジルは精獣界から来たの?」
『ああ。正確には飛ばされたんだが』
「転移みたいな感じ?」
『…まあ似たようなものだ』
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