第十章

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「ああ、ギルドに欲しいな」 ディナンは口端を上げて笑う。 「本気?」 ユリアは眼を見開いて驚愕の表情を浮かべた。 「冗談でこんなことを言うか」 「では、隊に?」 ゼネスは真剣な表情で訊いた。 「いや…」 ディナンはそこで口をつぐみ、躊躇う様に視線を揺らした。 「もし、リオンの実力が俺の求める基準に達していたならば、『   』に任命しようと思う」 「「なっ!?!?!?」」 ユリアとゼネスは、驚きの声を上げながら固まった。 「…………それは、まだ早いのでは?」 ゼネスが動揺を隠せない様子でディナンに訊ねた。 「まだ確かな事は言えないな。 何しろ、俺はリオンの正確な力量を計れていない」 「左様ですか。 どちらにせよ、"我々"は貴方のご意志に従うのみ」 ゼネスの言葉に、ユリアも大きく頷いた。 .
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