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一方、リオン達3人は、まーちゃんの案内で、無事に洞窟に辿り着いた。
「デカくね?」
ヴァンは目の前にポッカリと空いた洞窟の入り口に、思わず呟いた。
「うん…、これは僕も予想外」
リオンは苦笑を浮かべるが、まーちゃんには笑顔で礼を言う。
まーちゃんは嬉しそうに鳴くと、何処かに飛び去って行った。
「ちょっと、不気味かも…」
リュナは真っ暗な洞窟の奥に、身震いをした。
「何か、出そうだね…」
リオンのボソッとした呟きに、他の二人はビクリと肩を揺らす。
「お、おい!何、縁起でもない事を言ってるんだよ!!」
大声で言うヴァンだが、若干腰が引けている。
「そ、そうよ、リオン!」
リュナもブルブルと震えながら、青い顔をしていた。
「何が?」
リオンはキョトンと首を傾げる。
「いや、だからさ…」
ヴァンは困惑しながら説明をしようとするが、その時。
「グルルルルルル…」
地を這う様に低い唸り声が、洞窟の奥から聞こえてきた。
「ほら、出た」
「「え?」」
リオンの言葉に、二人はポカンと間抜けな表情をしてしまった。
「まさか、"出る"ってそういう事かよ!?
焦った、幽霊かと思ったぜ」
ヴァンが言うと、リオンは呆れた様な顔をする。
『ふん、気配を読めば解ることを』
ジルはパタパタと翼を羽ばたかせながら、馬鹿にしたようにヴァンの回りを飛んだ。
「う、うるせぇ!俺に出来るか、そんな高度な事!」
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