第一章

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リオンに割り振られた教室は、特待生のみのSクラス。 このクラスが、唯一貴族と平民が一緒のクラスだ。 その他はA、B、Cクラスが貴族。 D、Eが平民クラス。 この学園は全寮生で、男女別々の建物になっており、校舎の両脇に聳え立っている。 寮は2人づつで相部屋。 勿論、貴族は貴族と。平民は平民と、となるが。 「はぁ…」 リオンは教室に入ってすぐに、嘆息した。 席は自由の様で、一番後ろの窓際を陣取った。 リオンが嘆息した理由は、貴族からの差別的な視線だった。 「何で平民なんかが、同じクラスにいるのよ」 「偉そうに。立場わかっているのかしら」 等々。 人の感情や思いに敏感な質のリオンは、それを犇々と感じ、苦笑を浮かべた。 (ほとんど貴族が多いなぁ、今のところ僕だけだし) リオンは教室から視線を外し、窓の外に目を向ける。 暖かな日差しが、沈んだ気持ちを浮上させてくれた。
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