序章

2/14
1738人が本棚に入れています
本棚に追加
/328ページ
静かな風が、朝の日差しを狭い室内に誘う。 遠くから聞こえてくる鳥の囀りで、夢の中から抜け出した。 「朝かぁ」 ふわふわと寝癖のある金髪を掻き上げながら、部屋の主であろう少年がムクリと起き上がった。 眠たげに細められた瞳は晴れ渡る空の様に青い。 「リオン!そろそろ起きなさい!朝御飯が冷めちゃうわよ!」 ドンドンと扉が乱暴に叩かれ、聞き慣れた女性の声が扉越しに響いた。 「起きてるよ、お母さん!着替えたら行くから」 寝台から抜け出すと、リオンは急いで着替え始めた。 「今日は森に行くってお父さんが言ってたっけ」 嬉しそうに頬を緩めつつ、リオンはキッチンに向かった。
/328ページ

最初のコメントを投稿しよう!