第一章

7/8
前へ
/328ページ
次へ
入学式も終わり、今日の所は解散となった。 授業は明日からと言うことで、リオンとゼネスは寮に向かった。 「それにしても、ゼネスと隣同士の部屋なんて驚いたなぁ」 にっこりと笑い掛けると、ゼネスは小さく頷いた。 相部屋では無いものの、顔見知りが近いと嬉しいものである。 「ねぇ、部屋の整理が出来たら食堂でご飯を食べようよ」 「…ああ」 リオンの提案に、ゼネスは短く答える。 リオンはそんな彼の態度を全く気にせず、軽い足取りで自分の部屋に入っていった。 部屋に入ると、学園の豪華さにひけを取らない程、きらびやかな調度品や壁紙等に、唖然とした。 「僕、ここに居ても良いのかな…?」 今までの生活では考えられない程の完璧な部屋に、思わず溜め息が零れた。 相部屋とは言っても、両側にそれぞれの寝室があり、真ん中のリビングやキッチンが共同という感じだ。 とりあえず、運んであった荷物を持って、寝室に向かう。 (相部屋になる生徒さんが居ないのかな? 荷物は僕のしか置かれてないし、人が居る気配も無いし) と思いながら、寝室のドアを開けて、再びリオンは固まった。
/328ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1741人が本棚に入れています
本棚に追加