序章

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「おはよう、お母さん!お父さんは?」 「外で準備をしてるわよ。それより、早く朝御飯を食べちゃいなさい」 「はぁい」 此方に一瞥を投げた母の言葉に、リオンは大人しく頷いた。 忙しく動く母に合わせて、一つに結った金髪が揺れる。 家族4人がギリギリ座れるテーブルには、既に2つ年上の姉、クレアがいた。 「おはよう、姉さん。今日は早いね」 「おはよう、リオン。 今日は友達と花を摘みに行く約束があるのよ」 父譲りの栗毛の髪を、頭の天辺で結った姉は、楽し気に微笑んだ。 「そっか、それは楽しみだね。 今度はどんな花を摘んで来てくれるの?」 「それは、後でのお楽しみ」 そんなリオンの言葉に、クレアは茶目っ気を含んだ笑みで、軽くウインクした。
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